山下新太郎《峯子像》

1942(昭和17)年
油彩・キャンバス、22.7×18.0㎝

山下新太郎《峯子像》

1942(昭和17)年
油彩・キャンバス、24.4×19.2㎝

7-1
7-2

どちらの作品も1942年に、左向きの白い衣服の作品は5月下旬に、右向きのピンクの衣服の作品は6月に描かれました。当時峯子は18歳になっており、本人によれば縦ロールのパーマをかけている頃のもので、女学校を卒業した後の時期だそうです。学校の校則でパーマが禁止されていたので、卒業式の翌日にパーマをかけに行ったそうです。描かれている場所は東京都港区白金の自宅の庭です。右向きの峯子が身に着けているピンクのワンピースは、峯子の自作だそうです。左向きの方の白い生地に刺繍のあるものは、山下が1931年から32年にかけて出かけたパリ旅行の際に買い求めた、ハンガリーの民族衣装です。初夏の庭の木々の緑は涼しげで、峯子の清純な美しさを引き立てています。素敵な大人の女性に成長した峯子は、父にとっては自慢の娘であったことでしょう。